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コアに対するエクササイズアプローチ その3

うつぶせ・座位・膝つき位エクササイズパターン


 前回にひきつづき、今回はうつぶせ・座位・膝つき位のパターンを紹介いたします。

うつぶせパターンの一例
 皆様お分かりのように、人間には迷路反射なる重力と頭部の関係から姿勢に関する反応があり、うつぶせになると身体が丸まりやすくなる(身体屈筋群優位)という特性がある。
 そこで、写真1のようにスタビライズさせるエクササイズの重要ポイントは、いかに腹筋群・背筋群の収縮のバランスをとるか、頭部の位置をどのポジションに持っていくかが、大事になってくる。

            写真1
   

ボールの上でバランスをとり両手・両足を床から離して乗ることができるためには、体幹がそりすぎていては無理だし、丸まりすぎていても無理。同時収縮に近い状態でバランスをとることがポイントになる。(当然のことながら体軸に対する左右のバランスも関係している。そのことについては、また後日詳しく述べたい。)





  写真2は、ポールをお腹の下にいれ、両手両足を床から離しバランスをとっているところである。難しい場合は、片手にハーフカットあるいは小ボールなどをおいてバランス感覚を養うように行うとよい。

            写真2

写真1のバランスボールとの違いは、 バランスボールの場合は、 体幹部との接地面積が広いため、行いやすいと同時に、非常にいろいろな方向に動きを伴いながらバランスがとれるということで、体軸に関わる筋肉のダイナミックな収縮を伴いながらスタビライズさせることができる。またポールの場合は、 接地部が体軸のライン上のみで左右のみしか動かない。よってバランスボールよりはスタティックな収縮を主体としたスタビライズが獲得できる。

 体幹のみのバランスが少しずつとれてきたら、股関節・肩甲上腕関節と連動させた四つんばいパターンへ移行させる。 (写真3) 注意点として、手・脚ともにあげることにより体幹伸筋群(下背部)が優位に働きやすく なるので、特に下腹部の収縮を忘れずに少々骨盤を後傾させるようにして行うことが重要である。写真4のように応用編として、床についている手・膝をハーフカットにのせて行い 不安定性を増してエクササイズさせることも必要となる。

            写真3


             写真4

座位のパターンの一例
 椅子などに座り両下肢ともに同方向に内外旋してみると、バランスをとるために、体幹が逆方向に側屈・回旋するのがわかると思う。これは下肢の内外転筋と体幹の筋肉とのキネマティックチェーン(筋肉の連動連鎖)によるものでもある。(写真5)
 これをもっと体軸のなかで働かせたい場合には、写真6のように、内転筋を働かせるために大腿の内側でボールをはさんで行うとより効果的である。はさまないよりは可動域は狭くなると思うが、体軸のなかでバランスよく動かせる可動域が得られると思う。

            写真5

             写真6


膝つきパターンの一例
フォワードランジの姿勢を後方の足だけ膝つきにする。そこで体幹を一歩前に出している足と逆側に側屈あるいは回旋して体軸の中でのエクササイズを行う。(写真7) 特に体軸と内転筋群との反応がより活性化される。
 写真7


 以上ポイントのみ一例を紹介してきましが、いろいろなエクササイズの方法があるので、今後徐々に紹介していきたいと思います。ただし、このようなエクササイズだけでは、細かい部分の体軸の修正は無理なので、当然ホリスティックの手技によるテクニックで修正したのち 神経-筋アプローチとして行うことをお勧めします。

                                               執筆 JHCA 岩間 徹