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コラム1

遠隔ケアと体軸のブレ

平成16年9月24日のアドバンス・アカデミーは、 1クールの最終日であった。この日、にぎやかな三人のメンバーが参加していた。そう、伊藤幸太郎、前田瑞木、浅見芳典氏の三名である。この時の様子を報告したい。
  というのは、通常のカリキュラムに無い、マスター・レベルの内容となったからである。

フォースの操りに挑戦
 アドバンスのアカデミーを2~3クールも受講してくると、自身のケア・コンディションのレベルが上がり、メンタル・コンディションの要素が強く反映されてくる。このことは、実際に受講されている方はご存知のことと思われる。  
 ともかく、メンバーの三人は賑やかなだけでなく、とかくうるさいことを言う。アドバンスの最終まとめの通常コースでは
「物足りない。もっと難しいのを・・・」  
と、平然と要求してくるのである。

 そんなこともあって、例によって世間話から始まって、前日にテレビ出演していたあるスーパースターには
「彼は、メンタルで奥さんに強いストレスがある。噂どおり、こりゃあ別れるンでないかいな、こりゃこりゃ!」
などと、もっともらしい発言が飛び交った。さらに話が止まらなくなると、プロ野球やサッカーなどの新時代へのアプローチでは、
「今のままでは駄目だ。我々がお手本を示す!」
と鼻息が荒い。

 で、この日は総合アプローチとして、スターウォーズで有名な 『フォース』 を使って、遠隔操作で歪みを修正するという課題にチャレンジすることになった。

肛門挙筋アプローチの第1号  
 最初のクライアント役は伊藤幸太郎氏。
 毎週ゴルフに行き、ダンサーなどのケア・コンディションを主体にしている氏には、遠方からも「ぜひ・・・私も治して」とひっきりなしに女性がやってくる。多忙を極めているある日、どの病院や治療院でも解決できずに絶望的になっていた女性が、氏の噂を伝え聞いてやって来た。
  そして―――ホリスティックコンディショニングによるメジャー・ポイントへのアプローチで、劇的に快癒することとなった。くだんの女性は、
「涙を流して、喜んでくれた。本当なンです!」(伊藤氏談)  
 ということである。めでたし、めでたし。

 この日の伊藤氏は、立位で左右/前後のブレがあり、骨盤変位もあって、プラスイオンを全身に発散していた。その軸ブレを、前田、浅見両氏が修正していく。身体に手を触れることなく、メンタルで集中しながら問題の在る関節を整えていく。私(矢野)がチェックしており、整えることができたらOKを出していく。
 このとき伊藤氏は、本協会の講習で、『肛門挙筋』 のアプローチを受けた記念すべき第1号となった。また、回盲弁機能障害から骨盤帯筋群の弱化があり、これも修正。横隔膜機能障害のマイナス反応もあったが、遠隔で機能が回復した。

 こうして、首都圏パーソナルトレーナー実績で首位をひた走っている前田氏も、スキー教師であり治療院の院長でもある浅見氏も、それぞれがクライアント役になってお互いの遠隔ケアをおこなっていった。だが、最後に残る 『脳脊髄液の正常な流れ』 の問題は、やはり難しい。ホリスティックコンディショニングの主軸を成すこの問題は、気功レベルのメンタル・ケア・コンディショニングを行使するのは、控えるべきかもしれない。負荷が強すぎるようである。

遠隔ケアのタブー
 本来、このようなアプローチは、やたらに行うべきでないことも承知している。自分の身体への負担が大き過ぎる、と思われる。疲れるだけでなく、相手によっては、自分の身体機能に悪影響を及ぼしかねないからである。

 今回の主題は、実にここにある。気心の知れた、お互いの問題点も十分に認識している 『賑やかな三氏』 であったから、ここまで進めたが、『フォース』 の使い方を誤ると、映画「スターウォーズ」のダースベイダーのように、暗黒の魔界に踏み込むといわれている。  
 アドバンスのレベルに入ってくると、クライアントの「動きの中で問題点が感知される」ようになってくる。しかも、ある程度までは、遠隔で修正することが可能となってくる。それは同時に、相手の悪い気(プラス過剰のイオン)を受けやすいことにもなる。ここに大きな落とし穴がある。
 前田氏をクライアントに見立てて遠隔ケアしたとき、きっちりと体軸がとれてピタッと立ち姿が決まった。うまくアプローチできたわけである。その直後に、伊藤氏は試しにダークサイドのフォースを使って、骨盤がより傾くような念(フォース)を送った。すると、たちまち前田氏の軸ブレが顕著となった・・・・・・このようなことは、アドバンスを受けていて、本来的に持っている潜在能力が高まってくれば、誰もが行うことが可能であり、実感できることである。

 伊藤氏は、このフォースをゴルフで試みたところ、相手のティーショットが大きく曲がり、パットもブレてしまうようになったという。そう、確かにこのようなフォースを実感すると使いたくなる。
 だが、明確にしておきたい。これは決して悪化するように(つまり、悪用)してはならない。古来より、『3倍返し』 といって、悪のパワー(ダースサイドのフォース:念)は自分自身に跳ね返ってくる、とされるからである。そのせいか、伊藤氏自身、最終ホールで自爆したという。
                                         

プロテクトできる体軸の確保を  
 問題は、第三者の影響を受けやすい自分自身をプロテクトできる、体軸のとれた姿勢を維持することが肝要である。これなくしては、ホリスティックコンディショニングが目指す最上級レベルに到達できないと思われる。私自身も人を諭すことができないでいる。甘さを自覚しているからだ。
 例えば、若いころと異なり、今では満員電車に乗ろうという気が起きない。プラスイオン過剰の混濁の渦に中では、脳が軸ブレを起こす前兆を察知すると思われる。だが、周囲の環境に影響されないだけの正しい 『フォース(パワー)』 をつけて、電磁波をはじめ、身体を汚染し続ける化学物質などに、無意識にも対処できるプロテクト能力を、しっかりと高めることの必要性を実感した日であった。

                                          平成16年9月末日記  矢野 雅知