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お遊びコラム 9

   「ホリコン倶楽部温泉スキーツアー顛末記」


 ホリコン倶楽部会長―浅見氏は、群馬県下のスキーヤーを仕切る立場にある。それ故なのかどうか、安田先生のセミナー後の懇親会で、
「雪深し 花ホトトギス スキーかな」
と、季語もへったくれもない言葉をつぶやいていた。そして、スッと立ち上がると
「皆さん!やはり・・・人として生まれたからにゃ、スキーやって温泉につかる本当の贅沢を知らないと、生きる価値はない・・・と、私は思います。今年はやりまっせ、温泉スキーツアー!」
と、やおら叫んだ。と、それに呼応して
「そうだ!スキーだ!温泉だ!!」
って一同で盛り上がったのが、昨年の師走前のことであった。酒席のことでもあり、皆適当に
「よし、やろうじゃねエか。」 「温泉、なら私も行く!」ってやってるときに、
「じゃ、こーしよう。ホリコン倶楽部:温泉スキー大らん・・・ 乱交じゃない! エーっと、大懇親会を、温泉につかりながらやるってのは・・・どうだい、名案だろう!そうだな、温泉につかりながら仙腸関節を修正して・・・・」
 話が脱線してくると、「行く行く!おいらは絶対に行く!」目が血走ってくる。それを察知した弁姫青○嬢は、すかさず
「女性陣は水着を用意しましょう。ほほほ、男性陣はそのままでいいですワ」
と言っていた。だが、次の言葉をイーダンは決して忘れることはなかったという。
「ほほほ、じゃ、あたくしがホホホ、韓国で撮ってきた写真を、そのとき皆様にお見せいたしましょう。ええ、もちろん世にも美しい○○○のお写真も御座いましてよ、ほほほのほ」

 酒席での話はすっかり忘れかけた頃、浅見会長がホリコン倶楽部掲示板に
「みんな、スキーに行くよ。集まれ!集まれ!」
と書き込んだ。
 私は、すでにスキー界から引退した身である。元気もない。黙殺するつもりであった。が、イーダンが
「いつだったら行けるんすか?」
「いや、自分は・・・」って言い切らないうちに、浅見氏に電話で「オッケーだって!」とやっている。すると、日程が「決まりました!この日です」と、ホリコン倶楽部掲示板に書き込まれた。(ちょっと待て!私はいまさらスキーなどやる元気もない、というのに)「ヤー公も行くってさ!」と、書き込んである。
 やる気満々の宮○親分などは、「この日はダメだ。ちゃんねーが・・・」っていうし、温泉なら「肩ぐらい流したげる!」って元気に言っていた若手女性陣は、「代行立てられない!」と戦線離脱が相次いだ。それでも、総勢8名の参加が決定した。


 私とスキーの関わりを説明したい。昔は、これでもスキーヤーであった。最後に滑ったのが10年以上前のことである。当時、目黒雅叙苑の高級スポーツクラブ『アルコ』の面々(岩間氏はじめ、ティーコンスタッフの前身)が、自宅前まで迎えに来てくれたので、久々にスキー場に行ったのが、最後であった。夕方、車で出発し、夜遅くにスキー場に到着し、ホテルの一室で大暴れした。一人が倒れると、10人以上が次々と上から男女に関わりなく 馬乗りになり、
「まいった!」
と、いうまで離れない。そんなこんなで、私と岩間氏、ティーコンの佐○間姉御とウルトラボイン嬢の4名は、明け方4時過ぎまで嬌声を上げていた。そして、翌日のスキーでは嬌声を上げ続けていたメンバー全員が、スタミナ切れで早々にロッジに引き上げていた。特に私は元気が失せていた。それには・・・理由があった。
 私は・・・ 元プロスキーヤーであり、谷川岳山頂から滑り降りたり、フリースタイルスキーという言葉が生まれる前から(その当時はホットドッグスキーといわれていた)、バレーやモーグルをやって、板もストックも目的別に2本づつ担いでスキー場に行くほどのスキー狂であった。石原都知事を苗場でスキー指導したこともある。はっきし言えば、(お前さんらが、鼻をたらしてママごとしている時代から)私はスキー界で栄光のシュプールを刻み込んできたのである。
「頭が高い!」
って、一席ぶつ勢いで、自慢のスキーウエアを身にまとってゲレンデに出た。その瞬間に
「キャー、笑えるー!」
って、言われたのである。
「なにそれー!古めかしいー!!」
ってことも、言われたのである。自慢のスキースーツは、若い娘(コ)には、超クラッシックに見えたようなのだ。「スキーとは、いかに目立つ滑りができるか」とのスキー哲学を信奉し、そのためのウエアが・・・ああああアア。
 以来、私はスキーのスの字も語らなくなった。忘れ去ったのである。


 話をもどす。私は、仕事を終えて20時30分大宮から新幹線に乗り込んだ。ハッシー姉御も仕事を終えて乗車している。乗ること50分で到着する。速い。
「トンネンルを抜けると、そこは雪国であった・・・」なんて風情はない。越後湯沢の駅前はものすごい積雪で、迎えのマイクロバスに乗りながら、「この雪じゃ、スキーはやめて温泉に入る以外にないな」と漠然と考えていた。

 ホテルでは、「遅れるから、夕食抜きでいいわ」と言いながら、ちゃっかりバイキングをたらふく食べたローズ松○嬢と、プロゴルファーの高○ワンダ嬢、弁姫様が酒を前にしてご機嫌である。会長はじめ、新婚ホヤホヤの前○若造氏も、 新婦がおめでたでイーダンと共にやけに勢いがある。そして・・・・ビール、ワイン、日本酒と酒豪の面々は、高らかに乾杯を繰り返し、大盛り上がりで8人がワイワイやっていると、
「もうそろそろ、どうだい?」
「だめ、それをあと3杯飲みなさい!」
弁姫様の言葉が飛ぶ―――ようやく飲み干すと、
「そうねエ、そろそろあたくしの、写真集をお見せしましょうかしら」
「待ってましたー!」
 こうして、男性陣一同が手にしたときの画像がこれである。
 手を合わせてから、ページを開く

 韓国でプロカメラマンが撮った弁姫様の花嫁衣裳の写真など、様々なものが納まっている。そのなかに『有名女優写真集』のような見えそうで見えないショットが散りばめてある。会長は、すかさず200万画素の携帯カメラに収めるが、ハレーション起こして判らず。必死になってチャレンジを繰り返す。

 深夜に突入すると、イーダンがすでに終了している風呂の偵察に行った。
「イヤー残念、無念! 警報装置があって、中に入れません!」
と、ひどく落ち込んだ声で報告する。ならばというのか、 弁姫様が
「若造君!上半身を脱いでみなさい!」 「ハイ!」
「次!あなた脱ぎなさい!」 「ハイ!」
「次!」 「ハイ!」 「次!」 「ハイ!」
ってことで、立たされたのがこの画像である。


 会長は、「女性は全員、浴衣!」 と叫ぶ。それで全員浴衣になって、大笑いしながら撮ったのがこの画像である。
  

 弁姫様が「なら、この私の肩の筋肉を見なさい!」と言いながら、肩を出しつつ、ポーズ。男性陣はすっかり芸術家きどりで、
「いいよ、綺麗だよ!もう少しそこ、下ろそうか」
って言いつつ、 乗り乗りで撮ったのが次のショットである。

 帯ヒモ巻いて ランボーのごとく 

 「弁姫は凄い。凄い!」と繰り返していたハッシー橋○嬢は、先日100キロを走破するウルトラマラソンをまた完走してきた。「だから、あっちこっちが痛いし、傷もあんから、見せられネーの!」 って言いつつ、
「何で、あたしが肩見せなきゃなんないだよー」
って言いつつ、片肌を脱ぐ。
「何で、あたしがポーズとらなきゃなんないんだよー」
って言いつつ、ベッドの上に上がってポーズ。そこを
「ハッシー、もっと浴衣下ろして!」っていうと、
「何で、あたしが背中見せなきゃなんないんだよー」
って言いつつ、さらに自分でずり下ろす。酔っ払っているので、ふらつきながら
「何であたしが・・・・」って言いつつ撮ったのが、これである。


 こうして、さらに夜は更けていきました。( ここから先の出来事はカット)


 気がつくと、私とイーダンと、弁姫様にハッシーの4人が依然として飲んでいる。若造氏がダウンし、 会長が続き、ついにワンダ嬢もローズも笑い転げながら部屋を去った。すでに明け方の4時を過ぎている。昔・・・・こんなことがあったな、と思いつつ私もダウンした。

 それから3時間もしないうちに、イーダンはすでに動き始めており、「メシ、めし」と騒いでいる。食いっぱぐれるとスキーが出来ないので、朝食バイキングへ。 雪。
 まったくよく降る。昨日は快晴であったという。若造氏がひたすら滑る中、初スキーのワンダと2度目の弁姫様を、会長がしっかりと指導をして、歩くだけの滑りから「歩くように滑る」技術を身につけたという。
「最初はどうなるかと思ったよ。リフトに乗ったら、案の定リフトを止めちゃうし(緊急停止)・・・」
と会長は語っていたが、この雪で2日目は大丈夫であろうか、とやや心配された。
 ホテルは10時がチェックアウトであるが、会長がフロントで
「私は群馬県スキー連盟の・・・・」とやったらしく、「どうぞお部屋をお使いください」の許可を取ってきた。
 この日、ローズは「スキーやると身体によくない!」と断固拒否。元来、身体を動かすよりも、子供を手玉に取ることを得意としている。世界中の聖地を回り、記念の石ころなどを集めている。決して立ち入ることのできないエジプトのスフィンクスでも、地元のガキ共に2ドル渡して
「いいこと!あそこの石をとってくるのよ」
って命じるのである。バチカンではミケランジェロの壁画まで削りかけた・・・という(実際にはやってません。床のかけらを拾い集めたそうです)
 ハッシーは「ウルトラの疲れがあって(昨夜の疲れとは、決して言わなかった)」と、これまた滑らず。イーダンは、(昨夜暴れすぎたのでスキーどころじゃない)とは言わずに、「ビール飲んで、温泉に入りたいので」とこれまた滑らず、部屋の窓から皆の滑りを見ていることになった。
 余談であるが、イーダンの深酒は有名である。ときどき家に帰ると布団に辿り着く前に頓挫するらしい。すると画家でイラストレーターの奥方が、ズボンを脱ぎかけたまま泥酔するイーダンの太ももに、ひざ下に達する『○ン毛』を描いて遊ぶそうな。翌日知らずにそのまま協会に行って、「何それ?」って言われたことがあるらしい。


    
 ワンダ嬢と弁姫様を従えて、会長は超初級コースでスキー指導者としての本領を発揮していた。
 東にスキーの履けない女性あれば、行ってしゃがみ込んで履かせてやり、
西に転んだ女性あれば、行って
「さあ、ボクの手を握りなさい。起こしてあげよう」と微笑みかけ
北に雪まみれになっている女性あれば、行って雪を払いつつ
「冷たい?暖めようか・・・」って優しく語りかける。
そんな会長のような男に・・・・私は、なりたい――なんてことは、決して思わないほど懇切丁寧であった。あそこまで徹底的に指導されたら、いかなる女性でも
「有難う。何でもあなたの言うこと聞いてあげる」
って、心境になるだろうなア、と思われた。

 その後、皆で昼食を摂り、お土産を買って新幹線に乗り込んだ。弁姫様、ハッシー嬢、イーダンはさらに大宮下車で居酒屋に繰り込んだ・・・とか。元気である。

 私一人が、バイタリティのなさが身にしみた今回のツアー。でも、
「キャー、笑えるー」
って言われなかっただけ、まだましであったか・・・・。

                                  平成18年2月3日記