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「ビーチハンドボール大会参加体験記」

 今回は、自衛隊体育学校に勤務されているJHCA会員、大井 治さんからの体験記を掲載します。大井さんは、ドイツで行われたビーチハンドボールの大会に参加。その時の模様を書いてくださいました。お楽しみ下さい。


 平成17年7月16日から~7月26日までの間、ドイツ・デュイスブルグで行われた「ワールドゲームズ2005」のビーチハンドボール競技に、日本女子代表チームのコーチ兼トレーナーとして参加しました。選手の年齢は、下は20歳、上は35歳で平均年齢25歳でした。

 ビーチハンドボールは、1990年代にイタリア南部で始まり、1チームゴールキーパーを含めて4名で、10分ハーフ、前・後半毎に勝敗を決める(前後半の総得点では決めない)スポーツです。ヨーロッパでは、サンドスポーツ(砂の上のスポーツ)としてインターナショナルトーナメントがビーチを問わず各地で開催されています。 また、ビーチハンドボールの特徴としてゴールキーパーによるシュートと独創性のあるシュートには、2点が与えられます。現在世界で認知されている独創性のあるシュートは、スカイシュート(空中でボールをキャッチしシュートする)とピルエットシュート (360°ターンしてシュートする)です。

 5月中旬に選手との顔合わせ、6月から毎週日曜日にお台場の海浜公園(東京近郊で唯一の砂浜)で早朝(人が増える前)強化練習、7月には千葉の富浦海岸で合宿を行いました。強化練習・合宿中は、トレーニングコーチとして競技特性に合ったトレーニングの指導、大会期間中は、選手のコンディショニングに当たりました。
 国内での練習では、普通のハンドボールと異なるピルエットシュートと、砂の上の競技なので体幹及び下肢のスタビリティーの強化に時間を割きました。いかにスムーズに回転し、かつコースを狙ったシュートができるか、頸反射、慣性モーメントを考え余裕を持った回転ができるように指導しました。週一の練習では効果的なレジスタンストレーニングができないので、各人の宿題としてスクワット自体重、クリーン0.7を与えました。実際本当にやっていたか確認できませんでしたが…。週1回、2時間の練習で効果を上げるのは難しかったが、終盤には回転速度、方向、球威も定まらなかったピルエットシュートがノーマークで打てるようになりました。

 大会期間の当初は時差ボケと白夜(夜10時過ぎまで明るい)には苦労しました。日本との時差は7時間で、昼前から飛行に14時間乗っていても着くのは現地時間の夕方。その上白夜でまだ空は明るい。もう体内時計はボロボロ。眠くとも朝起きて、規則正しいリズムを心掛けさせ、散歩にランニング、ランパス等軽い練習で体調を整えさせました。

      

 試合当日は、あらかじめ調べていたバランスを基にストレッチを指示し、バランス(軸)をとるようにしました。メンタル面で弱い選手にはメンタルをとり、試合に臨ませました。
 試合結果は、体格差、試合経験不足(日本には試合相手がいない)が影響し普段どおりのシュートが決まらず8位に終わりました。

 今回の大会に参加して、初めてのチーム帯同でその上女子チームであり、トレーニング面では短い時間の制約の中でなんとかできたかなと思いますが、コンディショニング面ではいまいちだったので、 もっと積極的にやっておけばよかったと反省しています。(監督さんが柔道整復士だった)
           

 ちなみに、イタリアチームのトレーナーは、日本のキネシオテープを使用していました。   完


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