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コラム29

スピリチュアル・コンディショニングを考える その3

人の生体エネルギー転写


 ホリスティック・コンディショニングでは、「体軸の確保」が重要なテーマである。どれほど優れたテクニックを駆使したとしても、つまるところ体軸が確保されなければ、
□ 生体エネルギーが、正常に循環しない。
生体エネルギーが正常に循環していないということは、
□ 身体は常に最大パワーを発現することができない。
□ 全身の筋バランスが崩れてしまう。
□ マイナス筋連鎖・骨連鎖を誘発する。
□ 傷害(外傷・障害)を受けやすい。
□ 高度な運動の質を確保することができない。それゆえ、スポーツパフォーマンスは低下する。
 といった状態を示す。
 このことはまた、
□ 正常な回復能力を保持できず、身体細胞の新陳代謝が低下して、「老化」や「皮膚の活力低下」「内臓の賦活能力低下」
など、様々な問題を誘発する。

 本題である。
 この体軸を崩す最大の要因は
□ 霊体(エネルギー体)
 にある。
 これについては、本シリーズで繰り返し述べることになるが、人の身体とは
□ 肉体と霊体(エネルギー体)
 に分けられる。
 このことを理解できないと、体軸を完璧に確保することは困難である。いや、ほとんどのケースにおいて、「無理である」と言わざるを得ない

 ホリスティック・コンディショニングに踏み込めば踏み込むほど、非健常者を正常化して、健康体にできるようにしようとの意思が強まるし、実際にそうすることができるようになる。つまり―――病気を治すことができるようになる。それ故、人に感謝され喜ばれ、自分の波動も良好な状態となる。
 うれしい限りである。人にいいことをして、生きていけるのであるから、これほど嬉しいことはない。
―――しかしながら、どうやっても体軸の確保が長続きしない人がいる。

私の経験上、アドバンスアカデミーの参加者から、「この人は、どうやっても(健康体が)長続きしないのだが・・・・」と相談されたほぼ全てのクライアントは、
□ 肉体に問題が在るのではなく、霊体(エネルギー体)に問題が在る。
 という方ばかりであった。
この場合、いくら優れたテクニックを持っていようとも、原因が霊体(エネルギー体)にあり、霊体の問題が肉体に反応しているのであれば、
□ いくら肉体を修正しても、霊体(エネルギー体)は修正されない。
 ということを、明確に認識しておかなくてはならないであろう。

 その昔、「我思う。故に我あり」といったルネ・デカルトは、
□ 肉体と精神を分けて考えるべきである。
□ 我々は、精神の問題よりも、肉体の問題に対処すべきである。
 といった。
 つまり、
□ 肉体の問題は、科学者が研究する分野のものであり、精神的な問題は、科学者ではなく、宗教家などが関わるべきものである。
 とした。

 このことが、近代科学の基本的姿勢となり、
この枠組みを決めたことが、科学的なアプローチの基本姿勢として定着して、今日に及んでいる。だから、科学者は精神的な霊的な世界には関わらないし、関わるべきではないといった考え方が、正しい認識であり、科学的な態度であるとしているのである。
いまだにこのことに固執する科学者は多いが、
□ デカルトは、人は肉体とその内面には霊体(エネルギー体)が存在する。といったことを認識していた。
その当時の科学では
□ 科学的なアプローチでは、精神世界を究明することはできないので、肉体面だけを科学が受け持つべきである、としたのである。
□ デカルトは、決して精神的な霊的な世界の存在を否定していたのではない。
ということを理解すべきだと思う。 
このことが、時代の経過とともに抜け落ちてしまい、科学は肉体だけを対象とするもので、「霊体(エネルギー体)の存在は認めてはならない」のが科学者の正しい態度である、という認識に変わってきてしまった。
我々は、この時代的な背景については、心に留めておいてもよいと思われる。

 さて、本コラムのシリーズは「霊体(エネルギー体)」に焦点を当てるものであるが、運動指導の現場のみならず、治療系の現場においてもやっかいな問題がある。
今回は、その中でも頻発する『生体エネルギーの転写』にテーマを絞って考察したい。


 人の身体に触れていると、次のことが問題となる。
□ 自分自身の身体の問題を、触れているクライアントに転写してしまう。
□ 触れているクライアントの身体の問題を、自分自身の――つまり、コンディショナー自身の身体に転写してしまう。

 このことは、まったく自覚症状がないままに、起きてしまう。それ故、クライアントの真の問題を修正・調整することができない、といった結果を招いてしまう。
 気がつかないから始末が悪い。一生懸命に対応しても、エネルギー転写されたクライアントは、時間の経過とともに元の本来の自分に還っていったとき、身体の歪みがさらに悪化する状態に陥ってしまう、ということが起こり得る。

 ある実際に起きた例を挙げる。
 以前、私の講習会の参加者の一人(男性)が、相手の女性の仙骨を調整した。仙骨はひじょうに微妙な体軸の中心を成す骨であり、全身の機能バランスに密接に関わっている。それだけ慎重に扱わなくてはならない部位であるが、その男性の手技は、やや強いと思われたので、再三にわたってその点を指摘していた方であった。
 が、帰り道。その女性は骨盤(仙骨)が正常に可動出来なくなり、歩くことが困難となって、ついにはうずくまってしまった、という。
後日、その報告を受けたので、そのときの状態をシュミレーションして再現してみると、その男性のエネルギー転写(仙骨の後下方変位)をその女性が受けており(その女性は、実際には前方変位であった)、男性は良かれと思って、自分の身体と同一の状態に転写されているとは気づかずに、「強く」仙骨を修正したのである。その結果、その女性の歪みをさらに大きくして、身体の悪化を招いてしまったのである。

 もしこのような事態を、自分のクライアントに引き起こしてしまったら、恐らく、二度とそのクライアントは調整依頼をすることはないであろう。
これが治療院のようなところであれば、他の患者にこのことが広まる程度は少ないであろうが、フィットネス倶楽部のような多数のメンバーが集まるエリア内であれば、たちまちこの話はオヒレがついて伝播する・・・・それ故、我々は、エネルギー転写には、常に細心の注意を払って対処しなくてならないのである。


 では―――どうやって、人のエネルギー転写を防いだらよいのだろうか。
 本稿を書き記している現在(2009年4月上旬)、根本的な解決策がみえてこない。ただ、
□ 自分自身の体軸を崩さないこと
□ あらかじめ「スイッチング」をチェックして、スイッチングがあったら、正常化すること
□ 身体に溜まった邪気を、「上から下へ」向かって、身体から拭い取るように祓うこと
□ 人のエネルギーを転写しないように、バリヤーを強化すること
□ バリヤーを強化するために云々
 といったことを、繰り返し伝えているだけである。
 ときに
 アドアカのメンバーが以前行って効果があった
□ 互いに向かい合って、両手を保持したまま、体軸が崩れないようにスクワットを行う
 といった即効性のあるドリルを薦める程度である。

参考:
現時点においての最良アプローチは、ケアするエリアに「結界を張って」しまい、「その中で、調整(コンディショニング)する」ということで、問題は解決するように思われる。しかも、そのエリア内に留め置くだけで、体調は回復する。
結界はスピリチュアル・コンディショニングに関わることであり、アドバンスアカデミーでは、真言密教の最高機密に属する方法を実際に行なっているが、一般化できるものではない。
本来は『越法罪(おっぽうざい』といって、密教の最高機密を一般人に漏らすことは、仏罰を受けるとされている。これについては、別の機会に譲る。


 私自身は、人を調整するときには、全くスイッチングを考慮していない。
体軸を正常にすることを念頭において対処するので、スイッチングの問題は体軸が整うことによって自動的に解消してしまうからである。
また、人の生体エネルギーを自分自身の身体に受けて、それによって自分自身の身体が変化する、というマイナスの影響はみられない。それは、常に、体軸の確保を念頭において対処するからだと考えている。

 このことから、たとえ
□ クライアントのエネルギーを、自分自身の身体に転写してしまう。
 といった状況に陥ったとしても、
□ クライアントの身体の歪みを消去して、体軸を正常化すること――つまり、問題のある箇所は、治しきることが大切である。
 と、繰り返し指摘してきた。
 人の身体の歪みを調整して、問題のある部位を正常化する。つまり「人を治せる」ことが、ホリスティック・コンディショナーに求められる、と考える根拠のひとつが、ここにある。
クライアントを、正常な状態に導くことによって、結果として、
□ 自分自身の体軸が正常となり、その正常な体軸に、クライアントがエネルギー転写をすることで、クライアントが正常化する。
 といったことを、講習会など様々なケースにおいて実感してきたからである。

 さて、
 人のエネルギー転写の問題は、相対しているクライアントだけではない。スピリチュアル・コンディショニングに踏み込めば踏み込むほど、
□ 多くの人は、他人の生体エネルギーの波動を、知らないままに受け続けている。
 という実態が、明らかになってくる。

 どういうことかというと―――クライアントをチェックしたときに、脊椎に様々な問題箇所があることが解った、とする。
 ホリスティック・コンディショニングでは、その場合まず
□ なぜ、その椎骨が歪んでいるのか。その原因を考える。
 ということになる。
 ただ、歪んでいる椎骨を修正するのであれば、それはある意味簡単である。習熟すれば、10秒もあれば対処可能である。
 ヒトの身体は、10秒で対処できるほど単純ではない。その原因に対処しない限り、直ぐにまた問題が再発する可能性がある。仮に、それで収まったとしても、その対処の刺激が、「たまたま治癒力を高めるように働いた」ものであったと考えることができる。
このようなケースは多いが、本質的な問題は残る―――つまり、沈潜して、いつまた再発するか解らない状態にある、と解釈すべきものとなる。

 もし、その問題が、クライアント本人のものではなく、他人の生体エネルギーを自分の身体に転写しているものであれば、
□ その人に、霊体(エネルギー体)がつながっている限り、その人の体調がそのままクライアントに反映され続ける。
 ということが起こる。

 これについては、その実態を体験しないと理解できないかもしれない。ましてや、
□ このことは、多くの方が抱えている問題のひとつである。
 と言われると、恐らく首をひねるであろう。
 そこで、ひとつの例を挙げておきたい。

 私のところに身体の調整を受けに来ていた方がいた。この方は、霊体(エネルギー体)のバリヤーが本来的に強い方ではなかったので、様々な医療機関や代替医療を受け続ける典型的な方であった。
 チェックすると、泌尿器系に問題を抱えており、この部位にエネルギーが循環していないことが判明した。また、霊体(エネルギー体)にも問題を抱えているので、これをクリヤーにしない限り正常化はありえないとの判断もできていた。
 しかし、何か反応がおかしいのである。誰かの生体エネルギーを受けて、その人と繋がってしまい、その人のマイナス波動を受け続けていることは確かなのだが、男性でも女性でもない、何か反応が異なるのである。よくよくチェックすると
□ 犬の霊体(エネルギー体)と繋がって、その波動を受けていた。
つまり、自分の身体に、犬の問題箇所を転写していることが、原因であるようだった。

 私は、
「ペットで犬を飼っていますか?」
と尋ねると、
「ええ、飼っています」
 との返答。そして
「もう老犬で、一緒に寝ているのですが、泌尿器系の病気で、布団の上に漏らしてしまうのです。ほほほ・・・」
 私は、確信できたので
「そのペットの犬が・・・原因です。それは云々」
 クライアントは驚いていた。まさか自分の体調の悪さの原因が、愛犬とはにわかに信じられなかったのである。
 そして―――その犬を溺愛しており、子供たちはすべて一家を構えて家を出ており、長年連れ添ったご亭主と二人暮らしで、いまやこのペットの犬と暮らすことが人生の生きがいであり、
「(この愛犬のためなら)私は、死んでもいいと思っています。それほど可愛いのです」
 といっていた。私も、それで納得できた。動物のエネルギー転写が原因であり、実際に犬の波動を消去しただけで、問題箇所は消滅した。

 犬の波動を受けて身体の変調を来たすのであれば、万物の霊長たるヒトの生体エネルギーの波動を受けない道理はないであろう。
 私は、自分のささやかな実体験の範囲内でも
□ 母親の生体エネルギー波動を、子供が受けて体調を崩している。あるいは、その逆のケース。
□ 一緒に暮らす親子などで、霊体(エネルギー体)が繋がって、お互いに影響しあっているケース。
□ 元彼あるいは元彼女のマイナスの念エネルギーを受けて、身体を歪めて体調を崩しているケース。
□ 仕事場の同僚に、霊体(エネルギー体)が繋がってしまっているケース。
 など、様々な問題に対処してきた。

 例えば、次のケースは霊体(エネルギー体)の波動を受けてしまう典型的なケースであるので、紹介しておきたい。
 初見のクライアントが紹介されてやってきた。60代の女性であり、本来的には健康であるが、このところ体調が悪く、どこに行っても原因が明確でなかった。病院ではクスリを出されるが、クスリは嫌いなので、様々な治療院にも行ったが、一時的に良くなったように思えても、改善されないという。
 チェックをすると、子宮の問題がメジャーであることが解った。そして、その子宮の問題を引き起こしてるのが、
□ 年下の女性である。
□ およその年齢は・・・・。
 このように告げると、初見なので「まさか?」という表情をしていたが、誰なのかをチェックしたところ、
□ 実の娘と霊体(エネルギー体)が繋がって、その影響を受けている。
 ことが解った。

 それに対処して調整を終えたが、そのクライアントは、
「娘は、現在地球の反対側に住んでいます。ですから、そんなことは・・・・ありえない・・・」
 と言ったので、私は、
□ 霊体(エネルギー体)の波動エネルギーは、距離に関わりありません。
 と、説明した。

「それに、娘が子宮筋腫の疑いがあるなんて、そんなことは聞いていません」
 とも、言っていたのである。
 にわかには、信じられなかったのであろう。

 後日、その方から電話が入った。
「娘と(国際電話で)話したところ、お母さんが心配するから黙っていたけど、子宮の具合が前から良くないと言っていました。こんなことって、あるのですねえ・・・・」
 と言っていた。

 もうひとつ、指摘しておかなくてはならない問題がある。
 それは、
□ 生体のエネルギー転写は、同時に「精神エネルギー」「憑依したエネルギー体」なども転写する。
 ということである。
 これについては、アドバンスアカデミーなどで再三にわたって実体験した方も少なくないはずである。
 例えば、まるで政治に興味がない方に、ある政治家の生体エネルギーを転写してみると―――つまり、その政治家と同じ身体の状態にすると、その政治家に対立する政治家の好き嫌いに関わる問題や、政治に絡むメンタル・ストレスが反映されてしまう。
 具体的に説明すると―――
 総理大臣を転写すると、国会で紛糾している問題を話しただけで、転写された本人は、そのような事にはまったく興味がないのに、メンタル・ストレスが強く働いて、ものの見事に仙腸関節が歪んで全身のパワーが喪失してしまう。

 このことは、
□ 人の生体エネルギーを知らずに転写したままでいると、その人の精神エネルギーが低下していれば、その影響を受ける可能性がある。
 つまり、
□ 欝(うつ)の傾向のある人に同調してしまうと、その人と同じようなマイナス思考の精神エネルギー状態に陥ってしまう危険性が高まる。
 ということを、示すものである。

 精神エネルギーの波動が高いグループ(会社などの組織も含めて)に属していると、波動の原則によって、その高い波動に同調するようになって、グループ全体の精神波動は高いものとなっていく。
逆に、精神エネルギーの低い波動のグループにいると、それに同調して、マイナス波動を受け続けて、グループ全体の波動が低下してしまう。

 食事などでレストランに入るとき、あるいは治療院やフィットネス倶楽部をチェックする場合においても、私は
□ その組織なり場所なり、個々固有の発するエネルギー波動を調べる。
 ことにしている。
 書籍を購入する場合でも、その本が発する固有のエネルギーがあり、著者のエネルギー・レベルを反映していることが解る。
 このことは、誰でも簡単なテストでチェックすることが可能である。

(本などのエネルギー・レベルをチェックする方法)
□ 脚長差や骨盤の歪みを、まず確認する(歪みがある)。
□ 次に、腰に本を載せて、再度チェックする。
□ その本のエネルギー・レベルが高いものであれば、脚長差が消失して、骨盤の歪みが一瞬で消去する。
 ⇒ コラム「私の推薦図書」で紹介した『波動の法則』の本などは、エネルギー波動が高いので、ほぼ全ての人を正常化するはずである。
□ その本のエネルギー・レベルが低いものであるか、あるいはその本人の固有の波動と反発するようなものであれば、脚長差は残り、骨盤も歪んだままである。

 さて、
 生体エネルギーの転写については、まだまだ奥が深いと思わざるを得ない。本人が自覚することもなく、知らぬ間に人のエネルギーを受けて、まるで憑依現象のように、無意識の行動が異常に映るようなケースが散見されるのである。
 その行動がエスカレートして、異常行動を示すことを
□ 昔の人は、『狐つき』と呼んだ。
 自然霊である『狐』の憑依現象が最も多いので、このような呼び名があるようである。
では、
人の生体エネルギー転写と、その違いは何なのであろうか。

 誰もが、多かれ少なかれこの人の生体エネルギー転写の影響を受けている、ということであるならば、言い方を変えると「誰もが、憑依現象を受けている」ということにもなってくる。
 これは、あまり気持ちのよい表現ではない。
 だが、
 人の霊体(エネルギー体)と霊体(エネルギー体)のつながりの関係は、追求すれば追及するほど、特別のケースではなく、日常茶飯事で起きている現象であることが解る。
この問題は我々の実生活においても様々な問題を引き起こしている可能性が大きくなってくる。ただ、それに気がつかないだけである―――といってよい。
そして、それは
□ 意思的な念エネルギーの発現
 といった、いわゆる「生霊」や「呪詛」などの問題にも関わってくることになる。

                       このテーマは、つづく




平成21年5月初旬記