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コラム31

生体エネルギー循環と体軸 その2


あまりにも捉えどころがないものではあるが、体軸の確保・正常化とは、
□ 生体エネルギー循環の正常化
 に他ならない。
 つまり、
 アスリートであっても半健常者であっても、身体を健常で快活な状態にして、最適な心身の行動能力・精神能力を確保するには、生体エネルギーの循環を正常化しなくてはならない、ということである。

 その循環とは、
□ 脳脊髄液の循環
□ 血液循環
□ リンパ循環
 という視覚化できるものから
□ 経絡エネルギー循環
 といった目では捉えることのできないものがある。
 また、経絡エネルギー以外にも、体内深く循環するエネルギーが存在する。
 のみならず
□ 身体の外方(オーラ・フィールド)を巡るエネルギー循環
 といったものも含めて、
 これら全てを正常な状態にすることが、ホリスティック・コンディショニングでいうところの『体軸を確保する』ということになる。

 東洋医学の中心をなす『経絡エネルギー循環』は、各臓器に関わってはいても、要するに身体の外層部を主体として駆け巡っているエネルギーである。
 だが、
□ 脳内を深く巡っているエネルギー循環帯が察知される。
□ 『臍(へそ)』から外方へ繋がっていくエネルギー帯も察知される。
 (これが、シルバーコードといわれるものかもしれない)
 まだ、あるかもしれない。
 ともかく、このようなエネルギーの流れが存在するのは、確かな様である。

 例えば、身体には主要な『チャクラ』という視覚化できないが、身体を正常に保つために必要なエネルギーを取り込んでくる機能がある。このチャクラは、肉体にエネルギーを供給するというよりも、霊体(エネルギー体)にエネルギーを取り込むものである、といわれている。
 それは
□ 頭骸骨(冠状縫合の近く)に反射点が存在する。
□ ヨガでは、チャクラからのエネルギーを活性化して、第1チャクラ(会陰部)から第
 7チャクラ(頭頂の百会の部位)までエネルギーを循環させる『クンダリーニの上
  昇』を目指す。
 これは、明確ではないが
□ 気功や道教・仙術あるいは古神道などの、いわゆる『大周天』は、経絡エネルギ
 ーとは別のエネルギー循環であるが、体内のみならず、外部(宇宙全体)と繋が
 ったエネルギーの循環である。
 といえそうである。

 ヨガの行者や一部の特異的な能力を持っている方は、数年間も食物を摂取することなく、まったく問題なく生きている実例がある。チャクラからエネルギーを補給して、正常な健康体を保持できるのだという。
 ここではそのような、科学的な常識を超えた人を対象にしているのではない。我々の実体験として、次のことがチェックでき得ることは、アドバンスアカデミーなどで実際に行なってきている。
 それは
 オーラ・フィールドの最外層部(第8層としている)は、
□ 電磁波障害を受けていると、この層が歪んでしまい、その結果として体軸が崩れる。
□ ジオパシックストレス(地球の磁場の悪影響:大地のストレス)を受けていると、こ
 の層が歪み、体軸が崩れる。
□ 霊障を受けていると、この層が歪み、体軸が崩れる。
□ 花粉症のきつい人は、この層が歪んでいる。そして、やはり腰椎に歪みが引き起
 こされる(花粉症については、まだまだ掘り下げなくてはならない反応点が多数
 存在するようなので、さらに理解が深まったらテーマとして取り上げたいと思って
 いる)。
 といったことが示される。

 「電磁波障害」と「ジオパシックストレス」は、必ず第3腰椎と第5腰椎部がセットで大きく歪む。
 このことに気がついてから、オーラ・フィールドの第8層をチェックすると、必ず異常の反応が現れていることが理解できるようになった。

 電磁波障害は、恐らく一般に考えられているよりも多い。その多くが
□ 携帯電話のマイクロ波
 に、主な原因があるようである。
 携帯電話で2分間以上話をしていると、脳内は電子レンジに入ったときと同じような電磁波のストレスを被ることになる。2分間などは、直ぐに経ってしまう。
 つまり、
 我々の多くは、携帯電話をかけているときは、
□ 体軸が歪んでいる
 ということになる。

 このことは、正常に体軸を確保して、脚長差もそろい、骨盤の仙腸関節も各椎骨も正常に稼働している状態にしても、携帯電話を持たせただけで、
□ 一瞬で体軸が崩れてしまう。
 ということで理解される。
 骨盤も脊椎も歪む。筋も抑制弱化して、パワーが低下する。
 電磁波障害が顕著な人は、身体から2M程度離れたところに携帯電話が置いてあっても、全身のパワーが抑制弱化してしまう。
 ウォークマンで音楽を聴くことによって外部の刺激を遮断して、競技会前のリラクゼーションや集中力を高めるアスリートがいる。このアスリートが、電磁波の悪影響を受けている状態に陥っていれば、体軸が歪むので、競技能力が低下することになる。

 では、
 どうしたら、電磁波障害を受けないようにできるのか?

 それには
 2つの対処方法がある。
 一つめは、電磁波障害を未然に防ぐ手立てをすることである。
□ 寝ているエリアから、電磁波を排除する。
 このことが、まず行なうべき最優先のことである。

 我々の身体は、本来的なバリヤーで守られている。これがオーラと呼ばれているもので、この最外層部が関わっている(と、私は考えている)。
 このバリヤーが低下するのは、寝ているときである。したがって、寝ているエリアに電磁波(特に、携帯電話や電子レンジなどから発生するマイクロ波)が放射されている環境下では、この悪影響が生体に強いストレスを及ぼし
□ 不眠・めまい・肩こり・腰痛・生理不順など
 様々な症状を現す原因となる。

 「あなたの身体の不調の原因は、寝ている場所の電磁波です」
 と言ったときに、
「やはりそうですか。そうではないかと思ってました・・・・」
 と、答えたクライアントは皆無である。
 皆一様に首をかしげる。思い当たる節がないからである。
 だが、
 必ず電磁波が反応していれば、その原因はある。
□ 寝ている傍に、電話の『子機』を置いていた(親機よりも電磁波は強い)。
□ 寒いので、電気毛布を使っていた。
□ 寝室には電磁波の発生するものはないが、寝室の窓の外側に電柱があり、その
 電柱にトランスが設置されていた(約5Mまで電磁波の影響が及ぶ)。
□ 家の傍に電車の線路がある(電車の電線等は、約200Mまで電磁波が影響す
 る)。
□ ベッドの頭部周辺に、ラジオがセットしてあり、聞いていなくても配線コードは『電
 場』となって、50センチ程度までは電磁波が絶えず発生していることから、頭痛
 の原因となっていた(ホテルのベッドで寝られない、不眠になる要因となる)。
□ 寝るときに、イヤホンで音楽を聴きながら寝るのが習慣となっていた。
 などなど・・・・。

 こんなこともあった。
 ある入院患者をチェックして欲しいというのでチェックしたところ、電磁波の悪影響が診られるので、「電磁波で身体歪んでいます」と言ったところ、ベッドの周りには電化製品は何もないので、
 「そんなことは、ないと思います(そんなバカなことない!)」
 と言っていた方がいた。
 よくよくチェックしたら、病院の鉄製のベッド(マットも鉄製のスプリング)が磁性を帯びており、そのベッドに寝ていることが、症状を悪化させる原因となっていた。

 電磁波に対する2つ目の対処方法は、
□ 電磁波の悪影響を受けてしまったら、身体から電磁波の悪影響を抜き去る。
 ということである。

 その具体的な対処方法は、2つある。
 アドバンス・レベルの方であれば、
□ 身体(脳)に、直接電磁波を同調させて、正常化する
 という高等テクニックを用いるとよい(詳細略)。
 あるいは
□ 電磁波に対応する身体部位の異常を整える。
 ということで、対処できる。
 これは、一般的には、
□ 邪気払いと同様に、身体の上から下方(足先や手先)に向かって、両手で身体に
 触れて拭い去る。
 という簡易な方法を用いることで対処できると思われる。

 アドバンスクラスで行なっている対処では、
□ 椎骨(胸椎4番など)や側頭骨などの、特定の骨に対処する。
□ 膝蓋骨に対処する。
 などがある。
 まだ、この他にも有効な対処方法(手や足の反応点に対処するなど)が見つかるかもしれない。
 いや、
 根本的には、電磁波障害から回復するための対処方法よりも、人体のバリヤーを強化して、電磁波障害を完全に遮断できる方法を確立しなくてはならない、と思われる。
 人体にはいくつかのバリヤー強化の反射点が存在するようであるが、現時点において、これは残念ながらまだ十分に確立できていない。
 理解が深まったら、講習を通してお知らせしたいと思う。


 さて、
 もう一つの、第8層のオーラ・フィールドを歪ませる原因となる『ジオパシックストレス』について、述べておきたい。

 我々人間は、大地からのエネルギーの影響を受けている。その中でも人体に悪影響を与えるものを『ジオパシックストレス』と呼んでいる。
 ジオパシックストレスには次の3つの要因がある。
□ 広域碁盤目
□ 水脈
□ 断層帯

 簡単に説明すると、
[ 広域碁盤目 ]
 およそ3Mおきに、大地のエネルギーラインが走っている。
 このエネルギーラインはお互いに交差しており、そのエリアは「プラス・エネルギー過剰」「マイナス・エネルギー過剰」となっており、このエリアが人体にストレスをもたらすのである。
□ プラス・エネルギー過剰のストレスゾーンでは、炎症がより悪化する。
□ マイナス・エネルギー過剰のストレスゾーンでは、身体が衰弱する。
 といったことが解っている。

[ 水脈 ]
 大地の下に地下水脈のあるエリアでは、その放射線が上昇してきて、人体にストレスとなる。これは前記の広域碁盤目よりも有害である。

[ 断層帯 ]
 最も強いストレスとなるのが、この断層帯である。
 ビルの壁や塀にひび割れなどが走っている場合は、注意して観察すると、断層帯のストレスゾーンに関っていることが多く見られる。


 このようなストレスゾーンで生活しており、これが体軸を歪める原因となっている例は、非常に多い。
 女性の多くは、『子宮』や『卵巣』にジオパシックストレスを受けやすい、と思われる。まず、『子宮内膜症』の場合は、100%このジオパシックストレスが関っている。『子宮筋腫』の場合も、まずこの問題をチェックする必要がある。
 言うまでもないことであるが―――このことは、医療機関では画像に映るわけでもないので指摘されないし、理解されない。
 理解されないから、対処ができないし、場合によっては生涯を通して体調が不良な状態で過ごしている方も実際にいる。
 
 私のクライアントでも、腰痛や子宮などの不調の原因として、この問題を抱えている方が予想を超えて多いので、あらためて驚かされている。
 医療機関でこのことを説明しても、一笑に付された人も少なからずいる。画像に映るわけでもないし、オーラ・フィールドにストレスを及ぼし、その結果として肉体に悪影響が出ているのであるから、いくら肉体を修正しても根本的な解決には至らない。
 代替医療(通常の治療院)のほとんどにおいても、このジオパシックストレスは理解されていない。症状のみを追求して、その症状が引き起こされた原因を明確にしようとしないので、この問題はないがしろにされている。
 言い換えれば、現行のシステムの医療機関や治療院においては、このジオパシックストレスを検知できないので、それが原因となる「腰痛」「肩こり」「子宮の問題」「リューマチの悪化」「組織のガン化」など、様々な問題を解決することは困難である。
 

□ あそこのジムでトレーニングすると、「重いウエイトが挙がらない」と言う人がいれ
 ば、その原因が、このジオパシックストレスに関るストレスゾーンであることが大
 半である、と考えたほうがよい。
□ あのスタジオで運動すると、「体調が悪くなる」と感じるのであれば、まずこの問
 題を疑うべきである。
 そのストレスゾーンでは、全身の正常な筋群が抑制弱化する。つまり、体軸が歪んでしまう。
 だから―――長時間その場所にいると、体調を崩してしまう。

 また、
 メンバーがフィットネス倶楽部から退会してしまう要因として、この問題が潜在的に関与している、ということも指摘しておきたい。ストレスゾーンであれば、身体が歪むので、
□ 脳が嫌がる。
□ 長時間とどまると、スポーツ活動によって気分が爽快になるどころか、不快感がおきてくる。
 といったことが引き起こされるからである。
 だから、
 メンバーが増えない要因の一つとなる。特に、受付エリアがストレスゾーンであれば、新規入会の希望者がいても、身体が潜在的に嫌がるので、入会を敬遠することになる。その結果、そのスポーツクラブの存続に関る問題となり得るのである。

 このことは、
□ ジオパシックストレスのストレスゾーンに在ると、何業においても代替わりが激し
 い。
 といったことになる。
 角地のいい場所に在っても、絶えず経営者が入れ替わっているところは、私がチェックしたその全てにおいてストレスゾーンであった。
 それゆえ、
 このストレスゾーンで生活している人は、医療機関に通い続けることになり、どれほど名医であっても、ストレスゾーンからの身体の歪みを治せないし、解決できないことになる。

 ついでながら、
□ 国立競技場のトラック内に、このストレスゾーンがある。
□ 大阪の長居競技場のあるレーンは、ストレスゾーンが走っているので、このレー
 ンで走ると、タイムが落ちるという(あるJHCA会員の指摘)。
□ チームの半数が何らかの怪我をしていたバレーボールチームは、ストレスゾーン
 に練習コートが在った。
 など、実際のアスリートの競技エリアでも問題となるストレスゾーンが各所に点在するので、そのストレスゾーンで激しい身体活動を行っているケースでは要注意である。

 この原因から逃れるには、そのストレスゾーンからの撤退が基本的な対処方法となる。
□ 寝ている場所がストレスゾーンであれば、場所を移動しなくてはならない。
□ ストレスゾーンと思われるエリアには、長時間とどまらない。
 といったことが、肝要である。

 だが、現実の問題として、そう簡単に撤退・退避できる状況にないことが多い。
 そこで―――
 アドバンスアカデミーの中で行なっている
□ 結界を張る。
 ことで、少しは対処可能であると思われる。

 あるクライアントの慢性腰痛の原因が、ジオパシックストレスであったので、ストレスゾーンからの撤退を促したのであるが、建物全体がストレスゾーン上に在り、逃げ場がない状況にあった。
 やむなく結界を張って対処したが、2ヶ月後に再度チェックしたら、まだ有効にプロテクトできていた。ただ、すべて結界を張ることで対処できるとは思えないので、やはりストレスゾーンから撤退することを最優先すべきであろう。


 さて、
 体軸を歪める要因として、今回は最外層に焦点を合わせているが、まだまだ奥が深いので、対応策も変化する可能性があると思われる。
 まとめると、
□ オーラ・フィールドをチェックすることで、身体の健康状態をチェックすることが可
 能であり、生体エネルギー循環不良があれば、何らかの問題が身体(肉体)に反
 映されている。
□ その異常を消去すると、オーラ・フィールド(ここでは第8層)の歪みもまた、消去
 する。
 ように思われる。
 このことに気がついてから、自分自身の対処方法も変化してきた。
註:
 私自身は、まったくオーラ・フィールドを視覚化できない普通の凡人である。ただ、筋反射を用いた反応でチェックしている。これで、十分に対処可能である。


 現時点における第8層(身体の約80センチ外方)の異常をまとめると、次のものである。
□ 第3腰椎と第5腰椎に身体全体のメジャーとなる変位をもたらす原因は、電磁波
 障害とジオパシックストレスである。また、花粉症もこの範疇に入る(花粉症は、
 内層のオーラ・フィールドにも反応している)。
□ 仙腸関節の4点の耳状面のうち、3点が変位(この場合は、必ず一定のパターン
 が存在する)した場合は、霊障である。
 このようなことが、実践の中から理解できるようになった。

 今後、身体への理解がさらに深まれば、新たな問題が第8層に示されることに気づくかもしれない。
 第1層から第8層までに、どのような肉体の問題が反映されているかの理解ができるようになってきたが、まだまだ奥が深い。
 チャクラの内臓に反応する各レベルから、様々な要素がお互いに関連しているようで、まだ発表できる段階ではないが、肉体よりも霊体(エネルギー体)のチェックから本質的な問題点が把握されるようになる、と感じている。


 さて、
 ジオパシックストレスで大地について述べるとき、常にトム・ブラウン・ジュニアが著した書物が頭にチラついてくる。今もそうである。
 少し横道にそれるがお許しいただきたい。

 『ヴィジョン』(徳間書店:5次元文庫)を読んだとき、それに感化されて直ぐに私はテントを購入した。
□ 大地と一体となって、一晩過ごしてみたい。
 と、思い込んだからである。
 実に単純な理由であり、この本で感化されたのである。

 このときは、郊外に行く時間が取れないので、東京のパワー・スポットで一晩過ごせるところはないか、と真剣に探してみた。ただ、初老の男が公園を徘徊してテントを張っていると、怪しまれるし、「ここだ!」という大地が見つからなかった。
 その後、やる気はあっても行動が伴わない自堕落な信条で生きてきた性(さが)が抜けきれず、いまだに都会の淀んだ空気の中で生活し続けており、大地に抱かれてテントの中で過ごしたことはない。
 もし・・・機会があれば、この『ヴィジョン』(880円)を読み、その後『グランドファーザー』(徳間書店:ただし絶版)をお読みになることをお薦めする。

 書かれている概略は―――
 アメリカ・インディアンの『グランドファーザー』を呼ばれる老人に、白人の著者(トム・ブラウン・ジュニア)が、様々な実践的な教えを授けられていく実話を綴ったものである。
 
 狼は動物の中でも、最も注意深く警戒心が強いとされるが、主人公であるグランドファーザーは、若いときに気配を消して狼に近づき、その身体に触れたことから「ストーキング・ウルフ」と呼ばれた男である。それほどに自然と一体となってしまう術(すべ)を身につけていた。
 さらに、長老達が課す課題を次々とパスすることから、若くして『グランドファーザー』と呼ばれ、偉大なるシャーマンとして、60年間部族を離れて大地の精霊と共に生きることを命じられた。そして、精霊と共に様々な体験を通じて、スピリチュアルな面を極めていくのである。

 『ヴィジョン』では、白人の著者(当時は子供)が、80歳を超えていたグランドファーザーにめぐり合い、様々な教えを受けていく過程が述べられている。
 その中で、著者が罠を仕掛けてキャンプに戻っていると、グランドファーザーが
「今、(動物が)罠にかかった!」
 ということを、遠隔で察知する場面などが出てくる。

 『グランドファーザー』(絶版)では、偉大なるシャーマンとして60年間の長きに渡って精霊の意思に従い、様々な体験をしていく物語であるが、まるで異次元世界を探求する気分になる。
 グランドファーザーは、自分の住む森では、数キロ先にどのような動物がいて、今何をしているかさえ気配を察知してしまう能力を身につけていた。この彼が、いかにしてそのような人智を超えた能力を身につけていったのかが、本書では触れられている。

 我々は「自然と一体となる」「自給自足で生活する」といっても、所詮は人が作ったシューズやウエアを身にまとっている。完全なるサバイバルではあり得ない。
 だが、
 このグランドファーザーは、岩の隙間に入り込んで、ガラガラヘビが身体のワキを通り抜ける恐怖を克服して岩と一体化する訓練をはじめ、精霊の命じるままに遠くはアマゾンの奥地に入り込み、まったく森に溶け込んで気配を消してしまったそこのシャーマンと出会い、死の谷(デッドリバー)の炎熱の砂漠の中で、死に遭遇しながらも自然と一体となる悟りを開き、さらにロッキー山脈の猛吹雪と氷の世界でのサバイバルを通して、生きることの意味を悟り、さらにはオーロラの見える人間の住める極限の地に、精霊に赴かれるままに辿りついて洗礼を受ける・・・・・といったことが述べられている。

 古来の東洋の叡智は、全てのものは「地(土)」「水」「風」「空」「火」といった5大元素から成るという考え方を示している。彼は、この全ての要素を、極限の状態に身をおいて体験し、悟りを開いてきた。密教などの荒行と比べても、それは壮絶を極めるものである。
 岩(大地)の教えから、聖なる滝や氷(水)の教え、猛吹雪(風)や炎熱の砂漠(火)などでの荒行を通して、ヒトとして生きることの意味を掴んでいく・・・・・。

 共通していることは、全ての自然は―――ヒトも動物も植物も岩さえも「ワンネス(一体)」であり、人間はこの自然の秩序を保たせる担い手であり、今の我々の文明は「破壊」以外の何者でもないことを教えてくれる。

 大地は、我々の身体を癒してくれるものであって、決してストレスを与えるものではないはずである。「いやしろち」があり、「けかれち(気が枯れる地)」があっても、今ほどストレスゾーンは存在しなかったであろう、と思われる。
 それが―――東京だけでも「いやしろち」がますます減りつつあると言われている現在、ストレスゾーンを生み出してしまうのは、自然の本来の姿ではなくて、我々人間がストレスゾーンを生み出してしまった元凶である、との思いが湧き上がる。
 電磁波にしても、昔の生活ではそんなものは皆無であった。だが、今では電磁波のストレスは、目に見えない体調不良の大きな原因の一つとなっている。

 シャーマンは、精霊の宿る大木とコミュニケーションをとって、過去の出来事を教えてもらうことができる。「岩」でさえ、一体化することで教えを受けることができる。
 そして、
 地球上の全ての「水」は全て一体であり、生命の源である水を飲むのでさえ、常に水への深い尊厳をもって身体に受け入れて、地球上の全ての水と一体となる、というくだりがある。
 このような「教え」に触れていると、ジオパシックストレスとしての『水脈』との関連はどうなのだろうか、と思わざるを得ない。
 本来の大地に根ざした生命の水が、なぜ地下水となっているときに、人体の細胞にストレスとなる放射線を出してしまうのかが、長らく自分の中で疑問であった。

 「水」は生きている。大地の生き物から石に至るまで全てのものは、精霊と一体であるというワンネスの「教え」は、大地を汚し、自然を破壊し続ける我々人間が受ける報いなのかしれない―――と思うようになった。
 そんな疑問の答えが、自然と一体となり、自然に溶け込めるようになったとき、ヒトはストレスとしてではなく、「天の恵み」としての水脈を受け入れられるのかも・・・・・しれない―――こんな気がしている。



平成21年6月1日記