コラム36
スピリチュアル・コンディショニングを考える
その5
右脳と左脳 その1
前回、5周年記念ワークショップ(2009年9月の連休)で大阪に行った際に、京都に立ち寄ることにしたことを、少しだけ触れている。亀岡に行きたかったのである。
連休中の京都は、大混雑であった。旅行代理店は、全て「本日の宿泊案内は終了しました」との看板を出している。仕方なく、イエロー頁で片っ端から電話をかけて、素泊まり1万円のビジネスホテルを探しあてた。
その夜、京都の街は人でごった返していた。「明日も大混雑だろう」と覚悟していた。そして―――翌日
混み合う京都の街並みを抜けて――ひと山超えると、亀岡である。途中の「嵐山」で多くの乗客は降りてしまい、亀岡での降車客は、グッと減った。
目指すは、亀岡に在る『出雲大神宮』。
出雲大神宮は、亀岡の駅から「バス15分」である。だが―――バスがない。次の発車まで2時間半もある。タクシーで行こうかどうしようかと迷っていると、たった1台残っていたタクシーもいなくなった。
亀岡は、かって明智光秀が居城しており、本能寺の変を起こした因縁の城跡に、大本教の本部が置かれていたところである。大本教は、綾部の本部を含めて2回の弾圧を受けて解体した・・・・ということは知っていた。せっかくなので、駅からほど近い『亀岡城』に行くことにした。
驚いた。城内は整然としており、「大本教」の看板が掲げられている。「確か・・・解体したはずでは・・・・・」と思っていたが、案内板から、当時の政府から徹底的に破壊されたあと、戦後になって再び引き渡された・・・・ということが判った。
神殿らしき大きな建造物が目に入る。無意識にも、直ぐにチェックしてしまう性(さが)が出て、
「いま・・・いち・・かな・・・」
という感触であった。
建物は立派でも、エネルギー・レベルが高くない寺院・仏閣は山ほどある。
期待できないが、
「せっかく来たことだし・・・・時間はあるし・・・」
私は、その建物に向かって歩を進めると、ちょうど正面の奥に、神殿らしきものが見えた。すると―――その奥にある神殿は、かなり高い波動が感じられる(といっても、私は敏感なタイプではないが・・・)。
グイグイ引き寄せられるように近づいて、誰もいないことから勝手に上がり込んで、畳の上でしばらくの間、正座をしていた。
何のエネルギー体なのかをチェックすると、想像通り『丑寅(艮)の金神(うしとらのこんじん)』様であるようだ。
写真:神殿の入り口
丑寅(艮)の金神とは、鬼門(北東)の方位を司る神で、日本の国土を護る国尊立命(くにとこたちのみこと)とされている。
一方で、北東の鬼門は、一般的には凶方位とされており、丑寅(艮)の金神は最大の祟り神ともされてきた。
□ 丑寅(艮)の金神に祟られると、親族の7 人までが命を奪われる。もし7 人の該当者がいない場合には、その隣人の命を奪う。
と、恐れられた。
だが大本の筆先や、日月神示においてはこの神様は、地球創世に関わった地上神界の主催神と考えられている。
当初はこの神様が世をつかさどり、穢れのない世界であったが、悪神の計画によって世界の東北(丑寅)にあたる日本列島に押し込められたと言うのだ。
しかし時節が来て、丑寅(艮)の金神が蘇るときがきた。
そのサインとなったのが、黒住教、天理教、金光教、そして大本教の教祖にかかった神である。
大本教について、簡単に説明しておきたい。
大本教の開祖となった出口直(ナオ)が、突然神がかりして丑寅(艮)の金神が憑依して、「三千世界の立て替え、立て直し」が始まるとして、お筆先の予言が次々と的中することから、大本教は広まっていく。
例えば―――明治25年には、「日清戦争、日露戦争が起きて日本が勝利し、さらに世界の大戦い(おおたたかい―第1次世界大戦)が始まる」ことを予言している。
霊山高熊山に籠って霊感を得たという出口王仁三郎(でぐちおにさぶろう)を、ナオの娘婿として大本教に迎え入れたことを機に、大本教は発展した。
合気道開祖の植芝盛平など、そうそうたる人物が参画していた。
出口王仁三郎は、卓越した霊能者であり、様々な予知や予言を的中させている。日本の軍人にも多くの信奉者がいた。
□ 原敬首相が暗殺される2時間前に、「あ、原敬がやられた!」「東京駅で暴漢に襲われおった」
□ 9月に起きた関東大震災を、その年の春に「今年の秋の初め、東京が危ない」
□ 満州事変から太平洋戦争に突入することを予言していた。
王仁三郎は幾度も逮捕されたが、大戦中の保釈直後に
□ 「わしが出た今日から日本は負け始めじゃ」と述べているが、その翌日に、米国がソロモン諸島に上陸して、反撃を開始した。
等々、枚挙にいとまがない。
彼は、神界(5 次元以上の高次元)で起きたことが、3 次元の現在の世界に起きることを知っていた。このまま神意に背き、西欧列強と覇権争いを続ける日本の危険性を察知すると、新聞社も傘下におさめて、軍部が大陸に進出して暴走し始めるのを、徹底的に叩き始めて、軍事拡大路線に警鐘を鳴らし続けていた。
「これ以上軍拡路線を歩むと、日本は滅びる」
との神意を得ていた王仁三郎は、結局、反戦運動を首謀した罪で投獄された。
満州国が建国される背景には、旧財閥系の息のかかった軍人と、新興財閥系の息のかかった軍人との覇権争いが、その裏の歴史である。
これは、大本教の信者であった軍人グループが、覇権争いに敗れたということであった。軍中枢部の背後には、巨利を貪ろうとする財閥が控えていた。この財閥が、軍を背後で操っており、太平洋戦争にまで踏み込んでいってしまっ
たのである。
ついでに申し述べると、神界(5次元以上)で起きることが、現世(3 次元)で起きるとする出口王仁三郎は、
□ 大本は、世界の縮図であり、未来の出来事の縮図ともなる。
□ 大本で起こることは、やがて日本で起こり(きっかりと6ヵ月後)、世界で起こる―――という。
そして―――
太平洋戦争が始まる真珠湾攻撃の日から、ワシントン条約締結までと、まったく同じ期間を投獄されていた。神界で起きる「立替え建て直し」を、現世において自らが背負っていたからだ、とされている。
彼の大著『霊界物語』(全81巻)は、スエデンボルグのように幽体離脱して、過去・現在・未来を自由に行き来したようで、神々の世界とその経綸を示しており、
○ ヒトは、霊体が主で肉体が従である『霊主体従』や、
○ 全ての宗教の元は「太古の日本」から派生しており、『万教同根』を説いている。
人類の歴史観や霊界―神界などの仕組みについては、現在の新興宗教の多くに、このことは取り入れられている。
それは―――何らかの形で大本教に関っていた人物(王仁三郎から神法を伝授された)が、その後、独自の教団を開いたケースが多いからである。
生長の家の谷口雅春教祖、世界救世教の岡田茂吉教祖(ここから、真光教の各教団が生まれている)など、大本教に関わっていた人物が起こした教団である。『日月神示』の岡本天明も、元は大本教にいた人物である。
また
GLAの高橋信次氏やオウム真理教の麻原彰晃、あるいは幸福の科学の大川隆法氏なども、少なからず大本教の影響を受けている、と言われている。
ついでに言うと、
英文学者の浅野和三郎も王仁三郎から神法を伝授された一人であるが、彼は妻と共に日本に英国のスピリチュアルリズムを紹介している。その妻に可愛がられた佐藤永郎という人に師事した人物が、よく知られている江原啓之氏である。
さて、
私は―――ここに来たのは「導かれている」ように感じた。神殿を出て、振り返って深々と頭を下げていると、関係者が来て
「お入り頂くには、あちらでお祓い受けてから・・・・」
勝手に入ってはいけなかったようなのである。丑寅(艮)の金神に感応するエネルギーを身体に吸収して、極めて気分がよく、目的地となる『出雲大神宮』へと向かった。
出雲大神宮は、背後の山そのものが御神体である。確かに・・・・とてつもなく強い筋反射を示す。エネルギー・レベルはかなり強い。その御神体の山を少しでもはずれると、ただの山でしかない。
交通が不便なので、参詣者の多くはクルマできている。それも霊山からの御神水が湧き出ており、多くの方はこの『水』を汲みに来ているようである。
御神体は、「盤座(岩)」である(写真1)。もの凄いパワーがある。私は、この岩の中に身体を入れて一体化した。大地と盤座の霊気を身体全体に行き渡らせる。実に気持ちがいい。ここは、『須佐之男尊:素盞鳴尊(スサノオノミコト)』のエネルギー体に感応する『場』である。
写真:盤座
このエネルギー体は、額の第6チャクラ(アジナ・チャクラ)から入らない。第7チャクラ(クラウンチャクラ)からも入らない。仙骨から、身体の中に入ってくる。
そして―――そのエネルギーは、右脳に入れることができる、ということが解った。左脳には、このエネルギーが入っていかないのである。
先ほど感応した―――丑寅の金神(うしとらのこんじん)と思われる神殿をイメージして、同様にエネルギーを吸収しようとすると、やはり、仙骨からは入るが、頭部にあるチャクラからは入らない。左脳にも入らない。
これがきっかけとなり、左脳に入るエネルギーをチェックすると、
□ 伊勢神宮(内宮・外宮共に)
が、額の第6チャクラから、もの凄くエネルギーが入ってくることが解った。 そして―――このエネルギーは、右脳ではなく、左脳に入る。
なぜ、右脳に入るエネルギーと左脳に入るエネルギーに分かれるのだろうか。
このようなエネルギーは、同一のものではなく、お互いに補完しあっているものなのだろうか。
ともかく、自分にとって、このことは新発見であった。
そうであれば、左脳に反応する伊勢神宮では、どこかに右脳にも反応するエネルギースポットがあり、高次元のエネルギー体とコンタクトできる場を与えてくれるのではないか―――との思いに、捉われてきた。
『お伊勢参り』に行かなくてはならないように感じられて、この年(2009年)の終わりに伊勢神宮へと向かった。
まだ、霊気漂う早朝に外宮(げぐう)に赴く予定でいた。朝陽が地平線から出始める刹那の太陽エネルギーを、手掌から全身に循環させるつもりであったが、「睡魔」と「くつろぎの朝食」に負けて、太陽が外宮全体に降り注いでいる時間帯となってしまった。
写真2(外宮に在る「土宮(つちのみや)」)
それでも、外宮のエネルギー磁場は異常に高く、外宮の中にある「本宮(ほんぐう)」よりも、私は小さな「土宮(つちのみや)」(写真)や、その土宮の直ぐそばにある名前もつけられていない小さな宮(写真3)に魅かれる。
写真3:名もなき小さな宮
(訪れる人は、ほとんどいないが、ここはエネルギー波動が高い)
外宮のエネルギー波動は、きわめて高い。左脳にしっかりと入ってくる。だが、右脳に入るエネルギースポットが見つからない。年末であることもあって、人が多過ぎて、全身の細胞にエネルギーを吸収できる状況にない。
仕方なく、右脳と左脳にそれぞれマッチする小石をポケットに入れた(この小石は、次回の『お伊勢参り』で戻さなくてはならない)。
外宮の後に、内宮へと向かったが、あまりにも激しい渋滞で駐車ができず、内宮に参詣することはあきらめた。
伊勢神宮の関連施設は、全部で120箇所を超えるというが、伊勢神宮の源流ともいわれる滝原宮なども波動は高い。以前に行ったときは、川のほとりで瞑想など行えたが、今回は年末でもあり、人が多そうな気がして、まだ行ったことのない別宮である『伊雑ノ宮』へ向かった。
写真4:伊雑ノ宮(いざわのみや)
ここもまた、波動は高い。小さな宮ではあるが、20年毎の遷宮(せんぐう)のための敷地が隣にある。
一人の若者が、顔の前で印を組み、動かない。見れば「拝神印(はいしんいん)」の印を組んでいる。この秘印は、伊勢神宮や出雲大社などの社で本格的に参拝するときに用いるものである。
印とは―――宇宙エネルギーに感応し得るもので、手指の組み合わせで様々なエネルギー体に感応するものである。
「印を結ぶ(結印)」ことは、密教のみならず神道など、様々な宗教にみられるが、これには奥深い意味がある・・・ようだ。
わが国が生んだ不世出の大天才、真言密教のお大師様(空海)は、唐から帰朝後、古神道の世界では決して世に知られることにない秘印を伝授された、という。
お大師様(空海)が非凡な霊力を発揮したのは、古神道咒法の伝授を大中臣家(おおなかとみ)から、十種神宝法(とくさのかみたからのり)を卜部家(うらべ)から伝授されたのが大きい、とされている。
古神道では、その奥義は神仙界の掟により一般人に漏らすことは許されない。
一説によると、お大師様が入定(亡くなる)するときに、天より三十二人の神人が現れて、その深秘中の深秘の所伝を持ち去った―――とある。
密教の印咒(いんじゅ)の一部が、仏仙界に由来するといわれるが、古神道の秘印は、より高位の神仙界に由来する―――といわれている。
印を組むことは、本来は人には見せないようにするのが建前である。人前で行う時には、袂の中で印を結ぶのが掟である。
だから―――我われは、神道の一面は理解できても、その奥にある秘められた世界の、ほんの一端しか垣間見られないのである、という。
神道でも密教でも、興味を持つほどにその奥深さが垣間見えてくる。
我われも、実際にアドバンス・アカデミーの中で『結界』を張ることによって、霊的な障害や土地から受けるマイナス・エネルギーを軽減させることで、人々のお役に立つことを行っている・・・と、思う。
それも、印をしっかりと組むことで、エネルギーを取り込めるように思われる。
また、
非健常者に対してのアプローチにおいても、特定の内臓部位などに特有の『結印』によって、さらに有益なエネルギーを取り入れられるのではないかと思われる(これについては、機会があれば項をあらためて紹介したい)。
さて、
伊勢神宮では、20年に一度、数十億円もの巨費をかけてまで、「なぜ遷宮するのか?」と、誰もが疑問を持つ。
これについては、
「施設の老朽化を防ぐため」「宮大工の技術を後世に残していくため」など諸説在る。
だが、
伊勢神宮の神殿造りには、太古からの英知が凝縮していることは確かなのであろう。今では、ほとんど忘れ去られてしまった神意が、そこに秘められているようなのである。
神道においては、「日本列島そのものが、台湾を含めて5大陸を具現している雛形となっている」(これは、出口王仁三郎も指摘している)といわれる。
それはまた、太古の時代に世界の中心が日本であり、日本を中心として神々が支配する世界統一国家が存在した―――とされる古文献から、多くの人が指摘していることではあるが、全ての宗教の源流も古神道にあり、全ての無駄を省いて、神(精霊)の社(やしろ)を形づくっている。その社は、すべて宇宙エネルギーに同調できる形状である―――ようなのだ。
神社の屋根にある千木(ちぎ)にしても、太古からの英知があり、『契り(ちぎり)』に通じたものである、という。
古神道に通じていた友清歓真(ともきよよしさね)は、
「太古からの神代における秘密は、決して一般に公開できるものではなく、千木の由来の真の意義は、神さびたりとも神さびたることで、私の口が裂けても喋れない性質のものである」
と、述べている。
何とも、奥が深いようなのである。
ところで、
パワーかフォースか』において、
「キネシオロジー・テスト」(我われがいう筋反射テストのこと)を用いて、真実を聞くと筋反射が強くなり、ウソを聞くと筋反射が弱くなることの原理によって、デビッド・ホーキンス(精神科医)は、あらゆるものを「1から1000」に分類している。
これは、人間から物質まであらゆるものを、何万回ものテストで「意識レベル」を数値化したものである。全ての物質には、意識があるという『唯心論』をベースとしている。
ホーキンス博士は、人間に内在している真実の力・高い意識からの力を、『パワー』と呼んでおり、物質中心主義(対立・混乱を招く)の権力・偽りの力を、『フォース』と呼んで区別している。
最高位の1000は、仏陀意識・キリスト意識としている。
興味深いので、以下簡単に紹介したい。
● 200以下は、「フォース」としており、現在の人類の意識レベルは「207」であり、フォースに近い。
☆ フォースのレベルは、ヒトからエネルギーを奪い取るが、
☆ 200以上のパワーのレベルは、パワーが高いほど、ヒトの心身を強化する作用が強くなる。
☆ アインシュタイン/ニュートン/デカルト/フロイトなどの西洋の天才たちは約500であるという。
☆ アインシュタインの意識レベルは499であるが、科学者の中ではスピリチュアル性は高いレベルとなる。だが、ハート(心)と頭脳(頭)がまだ分裂していた、という。
● 重い病気とは、パワーが失せて、フォースが勝る状態にある。
● 「愛」は500のレベルである。日本人の政治家の平均は「410」である。
だが、
日本人の意識レベルの平均は、なんと「620(平和と至福のレベル)」である。これは、世界人類の中でも飛び抜けて高い。なぜか?
ホーキンスは、宗教の本来の教え(宗教哲学)は「全て1000」の最高点を示すという。あらゆる宗教の中で、唯一「金儲け」を是とするユダヤ教ですら、本来の教えは「985」であるという。
だが現在、
● 仏教/ヒンズー教860(大乗仏教) 890(小乗仏教)
● イスラム教のコーラン 720
● キリスト教 498 ユダヤ教499(ともに「愛」の500を切っている)
● モハメッドの意識レベルは740であるが、イスラム原理主義は「130」レベルであるという。
☆ イスラム原理主義者は、本来のイスラム教の教えからは大きく乖離している。世界平和を乱し、常に緊張状態を生む彼らの背後には、CIAやモサドなどの影があり、結局、裏社会のシンジケートに利用されている、との指摘もある。
☆ イスラム教の国(ヨルダンやシリアなど)を訪れて感じるのは、夜の街を徘徊しても危険はなく、一般のイスラム教徒は、敬虔な人が多いように思われる。
一部の過激なイスラム教徒が、過剰にテロを行うように背後で操られている、とうのも肯ける(軍産複合体シンジケートは、常に戦時状況が必要となるからである)。
では、
日本人の誰もがくぐる鳥居のある『神社』は、というと
● 現在でも、神道は「950」であり、全宗教の中において最高レベルを維持している。
という。
それは―――自然界のあらゆるものに『精霊』が宿り、生きとし生ける全てに『神の存在』を認識し、イスラム教やキリスト教のように、他の宗教を「邪教」として排斥することはなく、「すべてのヒトを同等に迎い入れる根本的な教義にある」のではないか、と思われる。
このことは、我われにとって誇らしい。
日本人は、信じる信じないに関わらず、その土地の産土(うぶすな)の氏神様の加護を受けている。神道は、わが国の国民一人ひとりの意識化に、深く浸透している。
世界では、いまだにキリスト教文化圏とイスラム教文化圏は争い続けており、ヒンズー経にいたっては、この現代社会においてすら3000以上もの階層社会が存在し、下層階級出身者は惨めな生活を強いられている。
わが国においても、常に政治経済はもとより、社会構造に不平不満を言い続ける方は少なくない。だが、この「至福と平和のレベル」を保ち続ける日本という国を、心の底から忌み嫌う人には、出会ったことがない。米国で永住権を取得しても、米国人になりきろうと本当に考える日本人は、きわめて少ない。日本国籍に愛着があり、日本人を放棄することはないようである。
外国に行けば行くほど、日本文化の素晴らしさが理解できるように思う。心から『日本』を誇れるし、その根本的な底流にある日本独自の『神道』の素晴らしさに傾倒できるように思う。
さて―――
伊勢神宮は、『天照大神(あまてらすおおみかみ)』が主神である。出雲大神宮は、『素盞鳴尊(スサノオノミコト)』が主神である。神道において、この両神は表裏一体の関係にある。表の世界が天照大神で、裏の世界がスサノオノミコトとなる。
この表の世界と裏の世界が対(つい)で存在するということは、真言密教でいう
□ 金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)
□ 胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)
の世界観に一致するのではないだろうか―――という考え方に導かれた。
曼荼羅とは、密教の世界観を著したものである。密教では、宇宙全体(これを『毘廬遮那如来(びろしゃなにょらい)』という)を、胎蔵界と金剛界に分けて、それぞれの世界観に『大日如来(だいにちにょらい)』が在るとしている。
つまり、宇宙全体には、あまねく大日如来がおわすと捉えている。浄土宗では、宇宙全体を阿弥陀如来とし、キリスト教ではヤハウェ。イスラム教ではアラーの神としているのと同様である。
胎蔵界(図1)は、大日如来が中心にいて、すべて大日如来の化身として、あまねく大日如来と一体となっていることを著している。つまり―――我われも大日如来の化身であることになり、人は皆、仏心を持っていることでもある。
金剛界(図2)は、その仏の働きを著しているもので、それぞれ大日如来と一体であることを悟り、それぞれの界で『法力』を身につけて、衆生を済度するために働くことを示す、といわれている。
つまり、
胎蔵界と金剛界は、表裏一体の陰陽の関係であり、表の宇宙観と裏の宇宙観ともいえるものと解釈できる。
図1:胎蔵界 図2:金剛界
そこで、左脳と右脳を当てはめると、
□ 左脳には、胎蔵界曼荼羅がマッチする。
□ 右脳には、金剛界曼荼羅がマッチする。
さらに
□ 左脳には、舌骨の左側が連動する。
□ 右脳には、舌骨の右側が連動する。
ということが、私に中で理解された。
舌骨とは、電磁波に反応する骨である。下顎骨など様々な骨組織と対応し、側頭骨と同様に、身体の『プラス』『マイナス』のエネルギーに関わりがある、と思われる。
つまり、
右脳に働きかけるエネルギーと、左脳に働きかけるエネルギーがある、ということが理解された。これは―――全ての物質は、陰陽の二者に別けて捉える『易経』や『陰陽道』などにつながってくる。
どうやら、
我われの身体に影響を与える物質・エネルギーといったものは、あらゆるものを、この両者に別けて捉えることができるようであり、この両者のエネルギーの影響を、常に生体は受けているようなのである。
ホリスティック・コンディショニングでは、常に「体軸を確保」して、生体エネルギーのバランスをとることが機軸にある。
そのためには―――全ての物質のエネルギー・バランスに配慮する―――ということが、新たな視点として浮かび上がってきた。
そのことから―――たった一杯の水ですら、「右脳の水」と「左脳の水」に別けられる、ということが解ってきたのである・・・・
(つづく)
平成22 年2 月中旬記